ヨーロッパで人気、表情豊かな「ケニアコーヒー」の風味を楽しもう!

ケニアコーヒーが高品質なわけとは

ケニア産コーヒーはその個性的な味わいからヨーロッパでは以前から人気が高く、オークションでも高値で取引が行われてきました。

そして、現在では希少性と付加価値の高いスペシャルティコーヒーとしてもさらに有名になり、この数年は日本でもシングルオリジンのケニアコーヒーを飲める機会が増えてきています。

決してコーヒー大国とは言えないケニアのコーヒーが、なぜこれほど人々を魅了するのでしょうか?

今回はケニアコーヒーの品種や特徴・味わいなど、人気の秘密をお話ししたいと思います。

ケニアコーヒーが高品質なわけとは?

ケニアで生産されるコーヒー豆は大きな農園によるものではなく、ほとんどが小規模農家により栽培されたものです。

生産規模もそれほど大きくなく、コーヒー大国とは決して言えないこの国が、なぜこれほどまでに人々に愛されるコーヒーを生み出せているのでしょうか。

それには、2つの理由があります。

一つ目は、肥沃な土地・年に2回の雨季による降雨量の多さや日中と夜間の大きな寒暖差という、コーヒーの栽培に適した気候や地理的条件がそろっていることです。

2つ目の理由には、ケニアでは古くよりコーヒー栽培の組織的な研究が盛んであったことや、流通に関しても品質に基づく透明性の高い取引を行い、ケニアコーヒーの品質向上・維持が公的に取り組まれていたことが挙げられます。

かつて首都ナイロビには「スコットラボラトリー」というコーヒー研究を行っていた機関がありました。

そして、そこで発見された優れた品種のコーヒー豆を、適切な品質管理で生産する試みが続けられてきたのです。結果的に高品質のコーヒー豆を安定した生産量で流通させることができ、ケニアコーヒーの商品価値を高めることができたと言えるでしょう。

ケニアコーヒーの主な品種は「SL28」「SL34」、ともに香り高いアラビカ種の系統でブルボン種の流れを汲んでいると言われています。

いずれもコーヒー研究所「スコットラボラトリー」で発見された品種で、以降ケニア国内で広く繁殖されました。SLは研究所名に由来したもので、この研究所で発見された証しとして品種名に使われています。

「SL28」は高地栽培で干ばつに強く、優れた風味を持っている品種です。

「SL34」は降雨量の多い高地栽培に適した生豆サイズの大きいコーヒー豆で、生産性も高く、風味の良さが特徴です。

また最近は、ハイブリッド種であるカチモールとSL種の交配種であり、炭疽病やさび病やなどに強く生産性の高い「Ruiru11」も栽培されていますが、香りが落ちるというマイナス評価の声も上がっています。

ケニアコーヒーの味わいと特徴

ケニアコーヒーの風味の特徴は、柑橘系フルーツのような爽やかな酸味と柔らかい苦み、そして、しっかりとしたコクのある甘みと言えるでしょう。

全体的に風味豊かでバランスの取れた味わいが、一級品として人気を博している理由です。

また、ケニアコーヒーの風味など特徴を語る際、外見的な特徴についても触れないわけにはいかないでしょう。

ケニアコーヒーの特徴は、丸く肉厚なコーヒー豆というところです。

肉厚な豆は浅煎りから深煎りのフレンチローストまで焙煎でき、焙煎の深さによって変化する酸味・香り・甘さなどの風味を楽しめるコーヒーなのです。

特にケニアコーヒーの酸味においては、焙煎により柑橘系からベリー系に変化していくという表現をされることもあります。

もし浅煎りの豆と深煎りの豆を飲み比べる機会があったら、同じコーヒー豆とは思えないほどの驚きを感じるかもしれませんね。

・浅煎りなら柑橘系のあっさりした味わいに

ミディアムロースト(浅煎り)やハイロースト(中浅煎り)なら、オレンジやグレープフルーツのような爽やかなフルーティさを感じさせる酸味を引き出せて、今のサードウェーブコーヒーにマッチした味わいと言えるでしょう。

また、その酸味も口に含むと同時に甘さへと変化していく、とても上品な風味ですよ。

・深煎りなら力強いコクと熟成された酸味

シティロースト(中煎り)からフレンチロースト(深煎り)くらいまで焙煎を深めていくことで濃厚な甘みとコクが生まれ、引き出される酸味も清涼感のある柑橘系ではなく、カシスのようなまろやかな酸味に変わります。

普通のコーヒー豆を深く焙煎すると豆本来の持ち味が失われやすいのですが、ケニアコーヒーの場合は、深煎りしても豆の持ち味である酸味が消えることはなく、あたかも果物が熟していくように甘みを伴った酸味が残るという特徴があります。

香りの余韻も長いので、コーヒーを飲みながらまったりとした気分で過ごしたいときのケニアコーヒーは、深煎りのものがおすすめです。

ケニアコーヒーのグレード管理方法は粒の大きさ

コーヒー生産国の多くが自国で定めた品質基準を基にコーヒー豆のグレード管理を行っています。

これには国内消費・国外輸出を問わず、明確な指標があることで売買をスムーズに行えるというメリットがあります。

コーヒー豆を手にする機会があったら、パックをよく見てみてください。そのコーヒー豆に関する情報がいくつか書かれているはずです。

まずは、生産国、そのほかに品種やグレード(等級)の表示、精製方法の表示などがあり、シングルオリジンのスペシャルティコーヒーなどの場合には、生産した農園名まで記載されていることもあります。

コーヒー豆に関する知識が少しあれば、これらの情報が購入する際の手助けにもなり、豆選びをしやすくなりますよ。

グレード(等級)分けする品質の判断基準は、コーヒー豆の生産地の標高であったり、スクリーン(コーヒーの生豆の粒の大きさで判断する方法)であったり、一定量内の不良豆の含有数であったりと、国によってまちまちです。

ケニアでは、生豆の粒の大きさでグレード(等級)を分けるスクリーンによる品質評価が行われています。

現在、日本に入ってくるのは最上位のグレードAAや2番目のABという高級ランクが多いようです。

グレードAAは7.2mm以上の大きさがある豆で、これはケニア産のコーヒー豆で最大の粒を集めたものです。

次のグレードABは、6.8mm以上のAクラス豆と6.2mm以上Bクラス豆が混ざったものです。

また、その下にグレードCやTTなど大きさで分けられたグレードが続くのですが、希少価値の高いピーベリーは大きさではなくPBというグレードとして取引されています。

ケニアコーヒーに限らず、ピーベリーは通常1個のコーヒーの実にある2粒のコーヒー豆が、1個しか入っていない実で1本の木から5%~20%しかない収穫量なため、高値で取引されています。

凝縮された味わいで豊かな風味があると言われる豆ですので、もし見かけることがあったら試してみる価値はあるでしょう。

まとめ

ケニアコーヒーが持つ二面性の魅力は本当に不思議ですね。

コーヒーの品種(銘柄)ごとに味を比べることはよくあるかもしれませんが、同じ品種の焙煎の違いで味比べができるのもケニアコーヒーならではの楽しみでもありますね。

ケニアコーヒーを飲む機会があったら、焙煎度合いにも注意を払って飲んでみてください。

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